福井県坂井市にあるローラー加工屋です。  高品質ローラーの製作が得意です。 ローラー加工なら竹内テッコウへ。



 

   ローラーの旋盤加工と表面処理



 
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  ローラー加工屋から、用語の解説

本ホームページ内において、専門的な用語や私達 ローラー加工屋が日頃使っている「業界用語」的
な言葉で説明していますので、皆様には分かり辛い部分があるかと思います。
 
ここでは、ローラー加工屋として分かる範囲で簡単にご説明させて頂きます。

※ローラー加工屋の説明ですので、参考に留めて頂ければと思います。

 
福井県のローラー加工屋  代表 竹内義明

 
 

   1. ローラー

※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。
1-1. ローラー
  円筒形をしており、回転させてあらゆる場面で使われます。
  例えば、ご自宅や車などのゴミ取りに使う「コロコロ」
  細かいゴミを、ローラー表面の粘着シートでとる物で、これもローラーです。
  産業機械では「粘着ローラー」として、形を変えて使われています。
 
  この他、「プレスローラー」「冷却ローラー」「搬送ローラー」「インキ練りローラー」等々。


1-2. 精密(高精度)パイプローラー
   ローラーは、大別するとシャフトローラーパイプローラーの2種類に分けられます。
 
  ・シャフトローラーは、 丸い棒を削り出してローラーの形状にします。
 
  ・パイプローラーは、 筒状のパイプの両側に軸を組合わせた形状をしています。

 
  パイプローラーの中でも、円筒度・真円度・振れ・バランス等のローラー精度と言われるものが
  厳しい物
をここでは「精密(高精度)パイプローラー」としています。


ゴミ取り用ハンドローラー「コロコロ」の写真  シャフトローラーの写真  アルミパイプローラーの写真
    「コロコロ」        「シャフトローラー」      「パイプローラー」
 

   2. ローラー精度

※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。
2-1. 振れ・偏芯
  ローラーを産業機械に組付けてローラーを回転させた時、
  ローラー面が上下左右に細かく動いて見える現象がおこります。
  これが、「振れ」(動振れ)です。
 
   「振れ量」(動ブレ)が大きい時は、
  ローラー面が撓(たわ)んでいたり、 「偏芯」(ローラー各部の中心がずれている状態)
  大きい要因と言えます。
 
  この「振れ量」(動ブレ)が大きい場合、
  産業機械で製造・加工・印刷する物(紙・フィルム・鉄板・木等)の
  品質低下の原因となります。
 
  また、産業機械自体の振動やローラー支持部の破損 につながります。



2-2. 表面の粗さ
  ローラーの表面は、ローラーを使用する用途に応じてお客様が指定します。
  ゴム巻き・コーティング・メッキ・処理ナシ等の表面処理。 旋盤仕上や円筒研磨仕上。
 
  表面の粗さ(あらさ)の粗い・細かいは、ローラー表面の凸凹(山・谷)の差が
  大きい・小さい、を示します。

 
  下図は、旋盤で加工した時の表面の凹凸(旋盤目)の拡大図です。
  円筒研磨ではこの山部分を平らにします。
  精密になれば、凸凹(山・谷)の差は小さくなります。(滑らかで綺麗な表面に仕上げます)


ローラーの振れの解説図  ローラー表面のアラサの解説図
      「振れ」          「表面の粗さ」

 

   3. ローラーのバランス

※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。
3-1. バランス (静バランスと動バランス)
  曲芸師が綱渡りをする時、長い棒を持って細い綱の上を渡ります。
  この長い棒でバランス(釣合い)を保っているのです。
  この時のバランス(釣合い)を、 「静バランス」と言います。
 
  また、コマが長く回っている状態や自転車をスムーズに漕ぐことができる状態も、
  バランス(釣合い)が保たれているということです。
  この時のバランス(釣合い)を、 「動バランス」と言います。



3-2. ローラーのバランス (アンバランス・アンバランス量・バランス修正)
  地球上では、質量のある物は必ず下に落ちます。(地球の中心に向かう)  重力です。
 
  ローラーにおいても、ローラーの円周付近に 重い部分と軽い部分が有れば、
  重い部分が下になる様に転がります。
 
  これを 「静バランスが崩れている」と言います。

  また、ローラーの円周付近に重い部分と軽い部分が有るローラーを回転させた場合、
  ローラー各部の「偏芯」や「遠心力」の作用により、重い部分が外側に引張られます。
 
  これを、 「動バランスが崩れている」と言います。

  両者共に「バランス(釣合い)が崩れている」「バランス(釣合い)が取れていない」ということ
 
  を 「アンバランス(不釣合い)」と言い、その量のことを 「アンバランス量(不釣合い量)」
 
  と言います。

  「アンバランス量(不釣合い量)」を少なくする作業を 「バランス修正作業」と言います。

           動不釣合いの解説図 
              「アンバランス」



3-3. ローラーのバランス(パイプローラーの場合)
  パイプは、パイプの厚みを介して中身が空洞になっています。
 
  パイプの外径とそのパイプの内径の中心は、ほぼ、ずれています。
 
  この中心がずれている状態を 「偏芯」と言います。
 
  これは、パイプの円周で厚みの厚い所と、厚みの薄い所が有るということで、これを 「偏肉」
  と称しています。

  パイプの「偏肉」とローラーの「偏芯」は、「バランス」を大きく崩す要因になります。

          パイプ偏芯・偏肉の解説図 
            「パイプの偏芯・偏肉」



3-4. アンバランス(不釣合い)の修正
 
  ローラーを接触面の少なく平らな場所に置き、ゆっくり転がす事で「静バランス」の量と角度を
  簡易的に計測する事は可能です。
  しかし、この方法は大まかな検査・修正であり、これでは「動バランス」は計測できません。

  私共が所有しています「バランシングマシン」(釣合い試験機)では、
  「動バランス」と「静バランス」を同時に「測定検査」する事が可能です。
 
  被測定ローラーを装置に装着し、条件を設定して回転させると、
  「アンバランス量(不釣合い量)」が結果画面に数値として明記されます。


  パイプ内径の「偏肉」を無くす「内径の切削」や、重さの軽い所に「おもり(ウエイト)を
  貼付ける」などの方法で「アンバランス量(不釣合い量)」を「規定値以下」になる様、
  修正します。


          バランス測定結果画面の写真
            「バランス測定結果画面」

※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。




 

   4. ヤキバメ

※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。
4-1 ヤキバメ(焼嵌め)
  パイプローラーの場合、パイプと軸部を接合する事が必要になります。
  一般的には「溶接」をすることで2つの部材を接合することで良いのですが、
  より接合を強固にする為に「ヤキバメ(焼嵌め)」作業を行います。

  焼嵌め(焼きばめ)とは、「熱くして、はめ込む」ことです。
  はめ込まれる片側(パイプ)を加熱すると、そのパイプが熱で膨張して広がります。
  熱膨張している間に、若干太くしたハメ込む片側(軸部)をパイプに挿入(ハメ込む)します。
  熱が冷めればパイプが元の寸法に戻ろうとして、若干太くした分が締まります。
  これを「締まりばめ」と言います。

  「締まりばめ」の手法として、「焼嵌め(ヤキバメ)」と「冷し嵌め(ヒヤシバメ)」の
  2通りがあります。

 
  「冷し嵌め」は、若干太くしたハメ込む部分を、液体窒素などを用いて冷やし
  外径が縮まっている間にパイプにハメ込みます。
  常温になると冷した部分が元の大きさに戻り、締まります。


焼嵌め(ヤキバメ)の解説図  冷し嵌め(ヒヤシバメ)の解説図  ヤキバメ作業の写真
    「ヤキバメ」          「冷しバメ」         「ヤキバメ作業」




4-2 ヤキバメ(焼嵌め)組合せ一覧表 (実績)
 
※※ パイプ ※※
※※ 軸部分 ※※
「 鉄 」STKM13A・S45Cパイプ 「 鉄 」SS・S25C・S35C・S45C・等
「 鉄 」STKM13A・S45Cパイプ 「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L
「 ステンレス 」SUS304・SUS316・SUS316L 「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L
「 アルミ 」A5052・A5056・A6063・
     (A2017・A7075は丸棒から穴明け)
「 アルミ 」A5052・A5056・A2017・
      A7075
「 アルミ 」A5052・A5056・A6063・
     (A2017・A7075は丸棒から穴明け)
「 鉄 」SS・S25C・S35C・S45C・等
「 アルミ 」A5052・A5056・A6063・
     (A2017・A7075は丸棒から穴明け)
「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L




 

   5. 溶接

※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。

5-1 溶接部のピンホール(極小穴)
 
  溶接施工の後、溶接部は旋盤で切削します。
  その切削した溶接部分に(丸いミゾのような)小さな穴ができる事があります。
   これを、「ピンホール」(極小穴)と呼んでいます。

  原因は、溶接部分に付着する油分や水分、或いは溶接時に使うシールドガス不足等々。

  目視や「カラーチェック」という「浸透探傷試験」にて、ピンロール欠陥の有無を検査し、
  有れば溶接補修します。




5-2 溶接組合せ一覧表 (実績)
 
※※ パイプ ※※
※※ 軸部分 ※※
「 鉄 」STKM13A・S45Cパイプ 「 鉄 」SS・S25C・S35C・S45C・等
「 鉄 」STKM13A・S45Cパイプ 「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L
「 ステンレス 」SUS304・SUS316・
        SUS316L
「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L
「 アルミ 」A5052・A5056 「 アルミ 」A5052・A5056
アルミパイプ <溶接不可>    鉄材の軸部分
アルミパイプ <溶接不可>   ステンレスの軸部分



 

   6. ローラー加工材料一覧表

6-1 ローラー加工材料組合せ一覧表 (実績)
 
※※ パイプ ※※
※※ 軸部分 ※※
「 鉄 」STKM13A・S45Cパイプ 「 鉄 」SS・S25C・S35C・S45C・等
「 鉄 」STKM13A・S45Cパイプ 「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L
「 ステンレス 」SUS304・SUS316・SUS316L 「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L
「 アルミ 」A5052・A5056・A6063・
     (A2017・A7075は丸棒から穴明け)
「 アルミ 」A5052・A5056・A2017・
      A7075
「 アルミ 」A5052・A5056・A6063・
     (A2017・A7075は丸棒から穴明け)
「 鉄 」SS・S25C・S35C・S45C・等
「 アルミ 」A5052・A5056・A6063・
     (A2017・A7075は丸棒から穴明け)
「 ステンレス 」SUS304・SUS303・
        SUS316・SUS316L




 

   7. ゴム巻き・メッキ・円筒研磨・表面処理

※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。

7-1 ゴム巻き(ゴムライニング)
  金属ローラーやアルミローラー(鉄芯・アルミ芯)の表面に、ゴムをライニングします。
 
  ライニングとは、腐食、摩耗、汚染などから守る為に、被覆すること。

  ローラー表面に、目的に適したゴムシートを被覆します。(ゴムを巻き付ける)

  製品(例えば、紙・フィルム・鉄板・木板など)を、はさむ(nip)、送り出す(feed)、
  軽く押す(touch)、圧を加える(press) などの目的に応じて、多種のゴムとゴム硬度を
  選定します。



7-2 表面処理・メッキ処理
  金属ローラーやアルミローラー(鉄芯・アルミ芯)の表面にメッキを被覆します。
 
  メッキには、電気メッキ・無電解メッキ・陽極酸化処理・化成処理の種類が有ります。
 
  ローラーでは「硬質クロムメッキ」処理が一般的です。

  これらの処理をする事により、ローラー表面の耐摩耗性の向上や、防錆につながります。


※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。

   めっきの種類
種 別
種 類
名称(通称)
電気メッキ 硬質クロムメッキ 硬質クロムメッキ(Hcrメッキ)
フラッシュメッキ(白上げメッキ)
亜鉛メッキ 三価クロメート(ユニクロメッキ)
無電解メッキ 無電解ニッケルメッキ (カニゼンメッキ)
陽極酸化処理 アルマイト処理 硬質アルマイト
(白)アルマイト
化成処理 黒染処理 黒染め
りん酸マンガン処理 (パーカー処理)




7-3 円筒研磨(研削)
  金属ローラーやアルミローラー(鉄芯・アルミ芯)の表面や「硬質クロムメッキ処理」後の表面に
  研削加工します。
 
  研削加工(円筒研磨)とは、高速回転する砥石車により、ローラー表面を微細に切削する
  加工のことです。
 
  この加工により、ローラー精度の向上や表面の粗さが平坦で滑らかになります。

        ローラー表面のアラサの解説図
            「表面の粗さ」


※本文はローラー加工屋の説明ですので、参考程度に留めて頂ければと思います。

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